取返しのつかない失敗②

前回に引き続き、過去にあった取返しのつかない失敗を。

とある、児童デイサービスに勤めていた時のことです。
知的障がいはなかったものの、行動面に強い障がいがある子がいました。
破壊、他害、多動、脱走、暴言、物を盗るなど、衝動性が異常に強い子でした。
本人も、自分がしてしまったことに後悔したり傷ついたりしていましたが、
思うより先に行動してしまうことを止められず、苦しんでいたようです。

その子が小学校に上がる年齢になった時のことです。
知的には問題ないので、自宅近くの支援級に進学が決まりました。
就学前の健康診断でも、そこそこ暴れていたようなのですが、
この程度なら問題ないと学校側からお墨付きをもらってしまいました。
緊張している中でもあれだけ暴れたのに…と、両親の心配は深まるばかり。

そこで、かかりつけの児童精神科医に意見書をお願いすることにしました。
デイや両親の意見は軽く見られがちですが、医師の意見書は無視できないはずです。
デイでの様子を書類と映像で準備し、両親、本人、私で受診しました。
書類と映像を見てもらった結果、環境が変われば問題行動は落ち着く。学校に提出するための意見書は書けないと言われました。
ならば、せめて落ち着ける薬を処方してほしい。とお願いしましたがこれも却下。

次は、学校に直接お願いしに行こうということで、
支援計画、支援記録、支援内容、問題行動時の対応を詳細に記した資料(30ページ超え)と、
問題行動を記録した映像を持って学校へ。
結果、資料は受け取ってもらえず、映像も見てもらえず。
対応した学校の管理職は、「過去にはもっとひどい子もいた。この程度は許容範囲内。心配無用。任せてください。」と。

その時点で、打てる手は全て打ち終わりました。
受け取ってもらえなかった資料は、後日学校に郵送しました。
担任が資料を見て、配慮してくれるはずだと思っていました。

入学当日。
その子は、隣に座っていた子に怪我をさせ、学校を飛び出し、以降学校に行くことはなくなりました。
担任は、資料の存在も学校に保護者が来ていたことも、その子がどんな子かも知りませんでした。

当時、出来ることは全てしたと思います。
ただ、あの時もっと強く訴えることが出来ていたら。
医者も学校も、これは聞かなきゃと思わせるだけの説明が出来ていたら。
見るに値する資料や映像が作れていたら。

時間が経って考えると、もっと出来たんじゃないか。と思うのです。

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