ネグレクト
大阪で、子どもを低血糖状態にして入院させ、共済金をだまし取ったとして母親が逮捕された事件がありました。
子ども自身が、母親との会話を看護師に聞かせたことが事件発覚のきっかけになったようです。
その子の本心はわかりませんが、スピーカーをオンにするのに相当の勇気が必要だったと想像できます。
せっかく勇気ある一歩で辛い現状を変化させることができたので、これからは安心できる環境での生活が続くことを祈っています。
子どもの虐待事件は後をたちません。
通報の義務化が進められたことにより通報件数は年々増加しており、
10年前は約6万件だったのに対して去年は20万件を超えています。
救われる子どもが増えていることはとても素晴らしいことです。
しかし、今回の大阪の事件は5年間で40回以上の入院があったにも関わらず、
本人の行動があって初めて明るみに出ています。
おそらく、虐待を疑った人や虐待という言葉を使って情報提供した人は、相当数いたはずです。
行政が出来ることには限界がありますが、そこは見直す時期なのではないでしょうか。
虐待が疑われたり、ある程度の確信があって行政側に情報提供を行うことがありますが、
その事実をうまく保護者に隠されたり、ルールの穴をつかれたり、行政側に黙殺されたりすることがあります。
事が明るみに出て事件になるまでは、情報共有や対応の協議しか出来ないのが実態で、そこに問題があるのだと思います。
状況の変化に応じて、より具体的な対応と行動を決めてすぐに動ける準備をしておくこと、
保護者の状況を理解し、必要な支援を提供できる仕組みを作ること、地域、学校、福祉の役割分担と連携の仕組みを作ってほしいと思います。
人間のことなのに、お役所仕事をしているようでは虐待はより隠されていくだけで減ることはないでしょう。
経験上虐待する保護者は、子ども<<<<<自分になりがちで、自分の行動を自覚しており、
虐待を隠すために他人の目を排除することで、さらに行動がエスカレートする傾向があります。
地域や学校、福祉レベルで虐待を予防するのに有効なのは、「たくさんの人の目がある。」ことを維持し続けるです。