保護者との信頼関係を考える。
昔々、学校では保護者より先生が偉かった時代がありました。
当時は、学校の先生というのは絶対的な存在で、
問題があっても保護者が声を上げることは、ほとんどなかったと記憶しています。
体罰で怪我をしても、悪いことしたんでしょ!と言われるのが当たり前でした。
SNSやインターネットの発達に伴って、それまで知られていなかった情報が広まったり、
ブラックボックス化していた学校の実態が、画像や映像で公開されるようになったりして、
先生と保護者・児童生徒の力関係は、ここ20年で完全に逆転しました。
児童発達支援や放課後等デイサービスでも、保護者の意向が支援に強く反映されます。
事業所として支援を進めるためには、保護者との信頼関係は必要不可欠なものですが、
信頼関係を築けたとしても、ちょっとしたことで簡単に崩れる脆いものです。
事業所は信頼関係の構築と維持のために、地道な努力を継続する必要があるのです。
昔いた事業所でこんなことがありました。
それまでは、いつもありがとうございます。と言ってくださっていたご家庭でしたが、
冬の寒い日、送迎に行った時にいつものように玄関の中に入って当日の様子をお伝えしました。
その日の内に、「玄関の中に入ってこられたのが不愉快だった。」とクレームがあり、
それからすぐに退所されました。
本当に嫌だったのは、玄関の中に入ってこられたことではなかったのかもしれませんが、
感謝されていたことに安心して、気が緩んでいたのは間違いありません。
保護者との信頼関係を築くためには、
保護者の困り事を解決(=支援で結果を出す)ことと、保護者に寄り添うことが必要です。
支援で結果を出すためには、知識や技術のアップデートが、
保護者に寄り添うためには、情報のアップデートやコミュニケーションを常に行うことが求められます。
通所を継続している=信頼されているではありません。
事業所が子どものことを考えるなら、常に危機感を持って運営していくことが大事だと考えています。