支援者としてレベルアップする方法④
支援者としてレベルアップする方法シリーズ、最後は「知識」です。
ほとんどの人が、支援をするにあたって様々な形態で学習をしています。
特定のものを深く掘り下げて、スペシャリストを目指すという人もいるでしょう。
一つのものを極めることは、支援者として強みにもなりますし、素晴らしいことだと思います。
これだ!と思うものがあるならば、とことんやってみるべきです。
支援者としてベストなあり方は、スペシャリストになることだと思います。
私もスペシャリストを目指したこともありましたが、ある時に無理だと悟りました。
性格上、一つのものを突き詰めていくことが非常に苦手だと気付いたからです。
とはいえ、支援をする上で知識は必要不可欠なもの。
どうしようか、ものすごく悩んだ時期がありました。
そんな時、ある人からこんな質問をされました。
「君は、Teacch5についての本は読んだかい?」と。
私は、「すみません。読んでいません。」と答えました。
そもそも、Teacch5ってなんだ?DSMみたいに改訂版があるのか?と思って、
ネットで調べてみましたが、出てきません。
しばらくしてから、支援のことを相談している方に、この話をしてみました。
「TeacchもABAもPECSも、”考え方”だから。改良はされるけど、バージョンアップはない。」と。
要するに、私の知識がどれだけあるのかカマをかけられ、見事にハマったのです。
恥ずかしい思いをしましたが、同時に”考え方”という言葉が強く心に残りました。
一つのものを極められない人間が、一つの考え方に縛られて支援をするのは無理がある。
障がいは個人差があるのに、一つの考え方で支援を続けるのは時間を無駄にしている。
そう思うようになりました。
そこから、福祉、教育、保育、医学、法律、基準、研究など、
あらゆることの基本的な知識を「浅く広く」勉強するようにしました。
なんちゃってジェネラリストを目指すことにしたのです。
なんちゃってジェネラリストを目指すようになってから、
考え方にはめ込んで支援をしていたものが、その子に合わせて支援をするようになりました。
例えるなら、「物を切るならハサミ」から、「素材に合わせて刃物を選ぶ」になった感じです。
自閉症といえば、視覚支援と構造化ですが、実は合わない子もいます。
本を出したり講演をしたりするレベルのスペシャリストなら合わせることが出来るでしょうが、
そうではない支援者たちは、合わないものに無理矢理合うように頑張ってしまいます。
それは結果的に、その子本来の成長を阻害していることになるのです。
様々な理論や考え方=知識は、支援者にとっては道具です。
普通の支援者は、たくさんの道具を持っていた方がより適切な支援を選択することが出来ます。
繰り返しになりますが、一つのことを極められるのであれば、その方が望ましいです。
私のようにそこまで頑張れない人は、なんちゃってジェネラリストを目指すことをおすすめします。